大川市は福岡県南部の町であり、筑後川下流の有明海河口部に位置する。筑後川上流には山林地帯があり、古くから筏で木材が下流地域へ運ばれてきた。有明海に面した大川は約500年前から港町として栄え、木材の物流も盛んだった。そこに腕の良い船大工が住み着き、やがて家具職人、指物職人となる者も出てきた。現在でも大川市は「家具の町」として名高い。
大川市で組子が始まったのは約300年前からという。以来、全国の組子職人が減少するなかで「家具の町」の大川市は、組子細工の技が途絶えることなく継承されている。他県は一人か二人の組子職人がいる程度だが、大川市には組子を作れる職人が集まっている。そのため切磋琢磨して技術の向上を図る土壌があるという。
大川組子は1987年に福岡県知事指定特産工芸品に指定されました。2013年には日本を代表する工業デザイナーによって豪華列車の室内装飾に採用され、その際に大川の職人のリーダーとして采配をふるったのが、木下正人氏である。JR九州の「七星」豪華列車に施された日本の伝統美あふれる組子細工は、国内外の富裕層から称賛され、多くの注文を受けているという。
https://www.jrkyushu.co.jp/company/info/business/sevenstar.html
Cruise Train Nanatsuboshi in Kyushu
ライター:晴野まゆみ
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