組子の技法は中国から仏教が伝来した1400年前に神社仏閣の建築技法として伝来したと言われています。1000年前にはすでに貴族の館にも組子細工の室内装飾が取り入れられました。江戸時代(1603〜1868)になると、技術が大きく発展し、植物などをモチーフにした200種以上の組子模様が編み出されています。
組子細工の職人は全国各地に存在し、それぞれの地域名をつけた組子が作られるようになりました。しかし、明治維新後近代国家による西洋化が進み、徐々に日本の伝統家屋需要が減っていきました。第二次世界大戦後は高度成長時代のなかで集合住宅の需要が高まり、ますます伝統的な日本家屋を新築する機会も減ってきました。当然、精緻な細工ができる建具職人、組子職人は姿を消していき、技術の継承も困難になってきています。
こうした日本伝統工芸の継承危機は組子だけでなく多くの分野で起こっています。EnArtEx活動を通して、それぞれの文化工芸の継承に情熱をもって向き合っている現代匠を紹介させていただき、彼らの作品を購入していただくファン層を開拓し継承支援をしていきたいと考えています。そうした匠を実際に訪問してみたいという方々がいらしゃれば、個人的な訪問、ツアーもサポートしていきたいと思います。現在、我々が関わっている匠の分野は、日本刀、八女茶、高取焼、鍋島緞通、組子、久留米絣があります。日本刀以外は九州圏内になっています。購入、イベント、訪問など支援含めてご興味のある方々は遠慮なくコンタクトしてみてください。
組子って?
ライター:晴野まゆみ
#組子 #伝統工芸 #木下正人 #建具